医院概要

医院名 医療法人社団育謙会
住所 〒153-0064 東京都目黒区下目黒6-18-26
休診日 水曜午前 土曜午後 日曜祭日 休診
TEL 03-3712-4970

小林謙院長は耳鼻咽喉科専門医、めまい専門医として高度な専門医療を実践しています。

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小林耳鼻咽喉科内科クリニック(めまい・耳鳴り)
小林耳鼻咽喉科内科クリニックサージセンター短期滞在手術

耳鼻咽喉科の薬物療法

耳鼻咽喉科領域の抗菌剤選択

小林耳鼻咽喉科内科クリニックでは耳鼻咽喉科領域の抗生剤を世界的に定評のある「サンフォード感染症治療ガイド」に基づいて選択しています。同時に学会作成の治療ガイドラインも参考にしています。

副鼻腔炎の治療に用いる抗菌剤

急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎では抗菌剤の選択が大きく異なります。薬剤は略称で表示してあります。クリックすると抗菌剤一覧で確認できます。

急性副鼻腔炎の薬物療法

  • ペニシリンアレルギーがない場合                             小児:AMPCAMPC/CVAのいずれか 投与期間10~14日                 成人:AMPC/CVA 投与期間5~7日
  • ペニシリンアレルギーがある場合                             小児 アナフィラキシーの場合 CLDM  投与期間10~14日                   アナフィラキシー以外  CPDX-PR                        成人 アナフィラキシーの場合 LVFXまたはDOXY                       アナフィラキシー以外 CPDX-PR
  • 上記治療で効果がない場合                                上顎洞洗浄の考慮                                   軽症/中等症ではCFDN CPDX-PR  重症例ではGFLXLVFXMFLX

急性副鼻腔炎の単純画像(右の上顎洞が白い陰影となっている)

慢性副鼻腔炎の薬物療法

  •   マクロライド系抗菌剤の小量長期投与                            ガイドライン(試案)に基づく投与方法                            ①投与薬剤 EM・CAM・RXM                              ②投与量 下表参照                                  ③投与期間                                       ・3か月の投与で無効な場合他の治療法に変更。                     ・有効な場合でも投与期間は連続で3~6カ月。                      ・症状再燃い対し再投与は可。                   鼻茸の画像                                インターネットより引用    ④以下の場合、効果が上がりにくいとされ、                                              手術を含む他の治療法への変更を考える。                                              ・Ⅰ型アレルギー性炎症が主体である症例                                              ・中鼻道が高度に閉塞している症例                                                 ・大きな鼻茸を有する症例                                                     ・長期投与中の急性憎悪                                                     ⑤副作用の報告はほとんどない

薬剤
1日の投与量
EM成人400~600mg

小児8~12mg/kg
CAM 成人200~400mg

小児
4~8mg/kg
RXM成人150~300mg

小児急性中耳炎診療ガイドラインにもとづく抗菌剤の選択

  • 症状と鼓膜所見を点数化し中耳炎の重症度を判定する(中耳炎重症度スコア)。
  • 重症度に応じ治療法を決定する。
  • 軽症(重症度スコア5点以下)では、                                                  ①抗菌剤の投与は行わず3日間自然経過を観察(推奨度A)。                                      ②軽症例における抗菌剤投与による鎮痛効果は不明である(推奨度I)。                                 ③3日間の経過観察で改善が認められない場合AMPC常用量5日間の投与(推奨度A)。                          ④AMPC常用量5日間の投与で改善が認められない場合 AMPC高用量・AMPC/CVACDTR-PIの5日間投与(推奨度A)。           ⑤耳痛・発熱に対してはアセトアミノフェン10mg/kgの頓用(推奨度A)。
  • 中等症(重症度スコア6~11点)では、                                                 ①AMPC常用量5日間の投与(推奨度A)。                                              ②鼓膜所見が高殿場合には鼓膜切開の検討。この場合耳漏の細菌検査が推奨される。                           ③AMPC常用量5日間の投与で改善が認められない場合、以下のどちらかを選択                              ・AMPC高用量・AMPC/CVA・CDTR-PIの5日間投与(推奨度A)。細菌検査結果に基づくことが推奨される。                ・鼓膜切開とAMPC常用量5日間の投与の併用                                           ④上記で改善が認められない場合、以下のどちらかを選択                                        ・鼓膜切開とAMPC高用量またはAMPC/CVA5日間投与                                        ・ABPC 150mg/kg/日 分3点滴,または CTRX 60mg/kg/ 日 分2(未熟児,新生児は 50mg/kg/日以下)で点滴3日間が推奨されてい    る.

耳疾患の薬物療法

突発性難聴に対する薬物療法

  1. 内耳の音を感じる感覚細胞の突然の障害で起こるのが突発性難聴です。診断は厚労省研究班突発性難聴診断の手引(1973)を用いて行います。
  2. 突発性難聴の治療予後に影響を与えるもの(文献1による)                          発症時の難聴の程度は治療効果に影響を与える。                              治療の開始時期は予後に影響する。                                  めまいを伴う症例では予後が悪いとされる。                              もっと詳しく知る                 内耳にある音を感じる細胞(黄色)の電子顕微鏡写真                             

3.治療

  • 様々な薬物療法が試みられるが、根拠の明確な治療は少ない。
  • 現在、有効と考えられる治療                                                     ①ステロイド点滴あるいは内服                                                   ②ビタミンB12製剤                                                       ③ATP製剤
  • その他の治療                                                            ①高圧酸素療法                                                          ②星状神経節ブロック                                                       ③プロスタグランディン製剤                                                    ④低分子デキストラン

急性低音障害型感音難聴に対する薬物療法

急性低音障害型感音難聴の特徴

  • 急に起こる低音域感音難聴
  • 難聴は一側性が多い。
  • 難聴の程度は軽度ないし中等度
  • 回復しやすいが繰り返すことがある。
  • 女性に多い。
  • 30~40歳代の若い年齢層に多い。
聴力像での急性低音障害型感音難聴の診断

  • 低音域(125Hz~500Hz)の聴力域値の合計が100dB以上
  • 高音域(2000Hz~8000Hz)の聴力域値の合計が60dB以下
  • ただしこの基準にあてはまらない症例もあるとされる。
内耳の模型。蝸牛(かたつむりの形をしている部分)に音を感じる感覚細胞が存在する
急性低音障害型感音難聴の治療

  • 薬物療法が中心。
  • ステロイド内服
  • ビタミンB12製剤
  • ATP製剤
  • 浸透圧利尿剤

ステロイド依存性難聴に対する薬物療法

急性感音難聴に対する薬物療法

  • 比較的急性に起こる難聴は、突発性難聴、急性低音障害型感音難聴、ステロイド依存性難聴以外にも原因不明のものを含め数多くありますが、治療はおおむね突発性難聴に準じて行われます。
  • これらの中には原因・経過などに特徴的なものがいくつかあります。

薬物による感音難聴

アミノ配糖体抗生剤による感音難聴

  1. 難聴の特徴                                                             ・高音域を中心とするほぼ両側同程度の感音難聴。                                          ・聴力検査は高音漸傾型あるいは急墜型を示すことが多い。                                      ・進行すると中・低音域まで難聴が進行する。                                            ・薬物によっては平衡障害を合併することがある。                                          ・利尿剤との併用が障害を強くさせるといわれる。                                          ・一般的には障害の出現は服薬量に依存するといわれるが、個人差が大きく、ごく少量で障害が出現する場合もある。
  2. 治療は難しく、予防に心がける。                                                   ・急速静注や1日1回投与など投与方法の工夫。                                          ・アミノ配糖体抗生剤副作用に対する軽減効果のある抗生剤(FOM)との併用。  

耳鳴りの薬物療法

内耳機能の改善を期待する薬剤

薬効分類名一般名称先発薬剤名
末梢性神経障害治療剤メコバラミン製剤メチコバール最も投与される耳鳴治療剤。
代謝賦賦活剤ATP製剤アデホス抗めまい薬としての適応がある。
副腎皮質ホルモン剤プレドニゾロンなどプレドニゾロン・プレドニンなど急性の難聴・耳鳴の治療
合剤ニコチン酸アミド・パパベリンストミンA耳鳴治療に保険適応

耳鳴そのものを抑制する薬剤

薬効分類名一般名称先発薬剤名
筋緊張改善剤エペゾリン塩酸塩
チサニジン塩酸炎
アクロクアロン
ミオナール
テルネリン
アロフト
頚肩腕の筋緊張の変化が耳鳴を
変化させる臨床データ
抗てんかん剤カルバマゼピンテグレトール最近の臨床データでは効果に疑問
抗痙縮剤バクロフェンギャバロン効果は未定。経験的

精神安定を促す薬剤

薬効分類名一般名称先発薬剤名
精神安定剤エチゾラムデパス頚肩腕の筋緊張低下の作用もある
抗不安剤アルプラゾラムソラナックスパニック障害に有効
持続性心身安定剤ロフラゼプ酸エチルメイラックス血中濃度の半減期が長い
SSRI剤パロキセチン塩酸塩・塩酸セルトラリンなどパキシル・ジェイゾロフトなど新世代の抗うつ剤 エビデンスあり

キシロカイン静注療法

  • キシロカインは局所麻酔剤であり、不整脈治療剤でもある。
  • ゆっくりと静注する。
  • 作用部位は蝸牛・中枢神経系と言われるが確定的ではなく作用機序は不明。
  • 有効率は40~80%と報告されるが、当院の使用経験ではではほとんどの患者さんで効果が認められる。
  • 効果の持続は短く数分から10分程度ことが多いが、90~120分持続することもある。
  • 反復することで有効率が上昇し、持続時間が長くなることが多い。
  • 副作用はほとんど心配ないが、静注最中に頭や耳の圧迫感、舌のしびれを感じることがある。

鼻疾患の薬物療法

アレルギー性鼻炎の薬物療法

アレルギー性鼻炎では重症度により治療法を決定します。

アレルギー性鼻炎重症度判定

アレルギー性鼻炎に用いられる薬剤

薬効分類効果の発現期間効果(くしゃみ・鼻汁)効果(鼻閉)
連用効果
眠気


抗アレルギー薬






 ケミカルメディエーター遊離抑性薬2週間
効果はマイルド 副作用は軽微
 ケミカルメディエーター受容体拮抗薬     

    抗ヒスタミン薬






       第1世代抗ヒスタミン薬10~20分 なし++抗コリン作用のため緑内障・前立腺肥大には禁忌
       第2世代抗ヒスタミン薬1~2日
++

あり
現在の薬物療法の中心薬 抗コリン作用なし
    トロンボキサンA2拮抗薬  
ピークまで4~8週間++なし鼻づまりの改善に効果
    ロイコトリエン拮抗薬  1週間++なし鼻づまりの改善に効果
  Th2サイトカイン拮抗薬  1~2週間++あり他の薬との併用による効果の増強
ステロイド薬






  局所用ステロイド噴霧剤1~2日
++
++
なし

すべての症状に効果 ステロイドの副作用は少ない
  経口ステロイド薬






    ステロイド薬単独1~2日
++
++
なし

すべての症状に効果 ステロイドの副作用に注意
    セレスタミン配合薬10~20分++

なし

ステロイど第1世代抗ヒ剤の合剤 副作用に注意
自律神経作用薬






  α交感神経刺激薬数分
+++
なし

一過性の鼻閉改善 連用に注意
  α交感神経刺激薬ステロイ合剤数分++
+++
あり
鼻閉改善 短期間にとどめる
配合剤






  第2世代抗ヒ剤・自律神経作用薬
++
++
なし±2種薬の配合ですべての症状に効果

通年性アレルギー性鼻炎の薬物療法


軽症
中等症(くしゃみ・鼻漏型)中等症(鼻閉型)重症(くしゃみ・鼻漏型)重症(鼻閉型)
推奨される薬剤①②⑤⑥①②⑥③④⑤⑥⑧②⑥③④⑥⑦⑧
選択方法上記いずれか1つ

上記いずれか1つ、

必要に応じ、

①あるいは②に⑥を併用

上記いずれか1つ 

必要に応じ、

③④⑤に⑥を併用

②と⑥の併用

③あるいは④に⑥を併用

もしくは⑧の単独

治療開始時に短期間⑦併用

番号はアレルギー性鼻炎に用いられる薬剤の表の右端の番号を示す。