小林耳鼻咽喉科内科クリニック     TEL:03-3712-4970
ENT STATION:耳の病気:滲出性中耳炎

 

 

 

滲出性中耳炎とは鼓膜に穿孔がなく、鼓膜の内側の中耳腔に炎症性の液体が蓄積し、難聴の原因となるが、耳痛や発熱などの
急性炎症症状のない中耳炎です。

注1:鼓膜穿孔のある中耳炎は慢性中耳炎です。注2:急性炎症のある中耳炎は急性中耳炎です。

滲出性中耳炎はあらゆる年代に起こりますが、
現在では圧倒的に幼小児に多く見られます。

注3:成人で問題になるのは、飛行機に搭乗したときに
起こる航空性 中耳炎と上咽頭(鼻の奥、あるいは咽頭
の一番上の部分)に発生した腫瘍に伴う滲出性中耳炎
です。

 

 

 

 

 

 

 

滲出性中耳炎は急性中耳炎や上気道感染症
(いわゆる“かぜ”)などの中耳の感染・炎症を
きっかけとして、耳と鼻をつなぐ管である耳管
の機能の低下や同時に存在する鼻副鼻腔炎
.アレルギー性鼻炎の影響をうけて発症すると
されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滲出性中耳炎は自然に治ることが多いのですが、時に後遺症
あるは合併症を起こします。合併症の代表が鼓膜の変性です。
主な鼓膜の変性は①鼓膜穿孔②陥凹(鼓膜の一部が内側へ
へこむ)・癒着(陥凹した鼓膜が内側に癒着する)③硝子様変性
(鼓膜に石灰沈着など炎症性の変化がおこる)④萎縮(鼓膜が薄
くなる)。合併症で最も問題になるのが真珠腫性中耳炎です。こ
の場合には手術が必要になります。詳しくは鼓室形成術のペー
ジをご覧ください。滲出性中耳炎による難聴は伝音難聴ですが
時に感音難聴が起こることがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滲出性中耳炎は自然になおる事が多い病気で初診後
1~2ヶ月は治療を行わず注意深い経過観察が最近では
治療の第1選択となりつつあります。
滲出性中耳炎の薬物療法は薬物効果を示す十分なエビ
デンス(根拠)のあるものは少なく、米国の2004年版「小児
滲出性中耳炎診療ガイドライン」でも積極的に推奨する薬
物療法は示されていません。しかし、滲出性中耳炎に対す
る薬物療法が意味のないわけでなく滲出性中耳炎に深く
関与していると考えられる急性中耳炎・上気道炎、耳管の
機能障害、副鼻腔炎あるいは.アレルギー性鼻炎に対して
患者さん一人一人の病気の状況に合わせて薬物療法が
行われています。
中耳貯留液がなくならない場合、鼓膜切開を行い貯留液
の吸引をします。難治性の滲出性中耳炎では鼓膜チュー
ブ留置術が行われます。詳しくは鼓膜チューブ留置術の
ページをご覧ください。滲出性中耳炎の発症の原因となっ
ている副鼻腔炎やアデノイドの治療も重要です。